石灯籠の話

 灯籠は粋に紙や薄い絹などを張って灯火をつける道具ですが、石灯籠は近頃では和風庭園の主要な添景物として扱われています。
 元来、神仏の献灯を目的として使用されたもので中国から朝鮮半島を経て仏教の伝来と共に日本に伝えられました。庭に庭に用いられるようになったのは、茶の湯の発達にともない、千利休によって夜の茶会のために茶庭に取り入れれたのが始まりで、宗教的目的から離れて庭の明かりとして使用されたものです。全体の景観のなかで、庭の中で明かりの欲しい箇所に据えられ、なるべく目立たず控えめに使用することにより、趣深い風情をつくりだし、庭との調和を一層保ってくれます。その後、灯火の風情に惹かれ茶庭以外の庭にも置かれるようになり、数々の創作灯籠がつくられるようになりました。

 基本形の灯籠(宝珠、笠、火袋、中台、竿、基礎、基壇の七部分から構成され、献灯された社寺の名称がつけられている)
勧修寺型、春日型、平等院型、般若寺型、橘寺型、当麻寺型
 創作型灯籠(庭の中におかれるようになってから創作された)
織部型、雪見型、岬型、三光型、袖型、山灯籠、瓜実型

(ぎょうせい『石を楽しむ庭』より )


春日型 織部型 雪見型 瓜実型 西ノ屋型 岬型 琴柱型

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