高温多湿の日本で一番大変なのは、除草です。手を抜くと、雑草でいっぱいになります。雑草も立派な草花です。でも除草しないでいると、雑草に栄養分がとられ土がやせて、草花が負けてしまいます。梅雨から夏にかけての雑草は、そのままにしておくと、根が張り、周囲の土も固くなってきます。とくに土が柔らかくなる雨のあとは、除草のチャンスです。雑草は、鎌で根から取るのがポイントです。種が落ちる前に抜くと雑草は、減っていきます。なかなか時間のとれないお宅の場合は、除草剤の散布も選択肢になります。除草剤は、雑草以外の庭木や、草花にも影響を及ぼします。環境への影響があるので原則的には、使わないほうがよいのですが、使うときは、薬剤がかかった草のみが枯れる接触型除草剤にし、通路など限られた場所にだけまきます。除草剤は農薬ですから、すべて農薬取締法に基づき農薬登録されています。農薬の使用にあたっては、登録された農薬を使用するのは、もちろん 使用時期や使用方法など定められた事項を確実に守ることが、大切です。除草剤を使って上手に管理するには、雑草の発生時期、だいたいの大きさ、葉の形がわかっていると除草剤をむだなく効果的に使用して雑草のコントロール、雑草防除ができます。根気よく除草しつづけることで必ず効果が現れます。
○イネ科 | 稲のように細長い葉を持った雑草で、植物分類上のイネ科に属します。葉脈が平行です。 |
○広葉 | イネ科雑草以外で、葉の形が広い雑草です。葉脈が網状です。 |
○カヤツリグサ科 | 三角で節のない茎、両端から二つに裂きカヤをつったような四角をつくって遊んだことから名前がつきました。 |
○一年生雑草 | 毎年新しい種子によって発生する雑草のことです。春に発芽して秋に枯れる雑草と、秋に発芽して越冬し、春から夏に枯れる越年生の一年生雑草があります。 |
○多年生雑草 | 種子で発生後、地上部は一旦枯れますが地下部が生き残り、翌年再生する宿根性の雑草です。多くの多年生雑草は種子で繁殖し、根づいて宿根草となりますが、なかには地下茎が伸びて繁殖するものもあります。 |
●一年生イネ科雑草 | オヒシバ、エノコログサ、スズメノテッポウ |
●多年生イネ科雑草 | チガヤ |
●一年生カヤツリグサ科雑草 | カヤツリグサ |
●多年生カヤツリグサ科雑草 | ハマスゲ |
●一年生広葉雑草 | スベリヒユ、ザクロソウ、ホトケノザ、ニシキソウ、コニシキソウ |
●多年生広葉雑草 | コヒルガオ、ムラサキカタバミ、ヒルガオ、チドメグサ、カタバミ類、ドクダミ、ブガラシ、ワルナスビ |
ブタクサ、カナムグラ、スズメノカタビラ、スズメノテッポウ、セイタカアワダチソウ、ヨモギ、カモガヤ
ケキツネノボタン | 仲間のキツネノボタンと共に毒草。キンポウゲ属の植物はプロトアネモニンという毒成分をもち、食べると腹痛・下痢を起こします。 |
ムラサキケマン | ケシ科の植物。死ぬほどではありませんがやはり毒草 |
トウダイグサ | 灯明の台に似ているところからこの名があります。カラスノエンドウなどと同じ場所によく生えていて、目立ちますが毒があるので食べてはいけません。切ると白い汁が出てきます。 |
ホトケノザ | 毒ではありませんが食用にもしません。春の七草に数えられるホトケノザは、現在ではタビラコと呼ばれている別種の植物です。七草粥に混ぜないようにご注意。 |
スベリヒユ、アカザ、タンポポ、ツクシ、カラスノエンドウ、ヨモギ、レンゲソウ、イラクサ、ガガイモ、ヒメスイバ、ドクダミ
ドクダミ、ハコベ、カタバミ、ヨモギ、タンポポ、イタドリ、カラスノエンドウ
引用文献 「手軽にあなたにもできる 芝庭の手入れ」「庭師が教える新しいガーデニング」「きらわれものの草の話」
ちょっと一言
作物や花などは、人の都合で植えられますが、雑草は、その場に最も適したものが生えてきます。だから強いのです。完全に雑草を防ぐことはできませんが、防草シートを敷いたりマルチングしたりと草花や樹にやさしい除草の仕方もあります。除草剤は、季節によって種類を使い分けてください。
食べる雑草ですが、天ぷら、おひたし、ごま和え、油炒め、酢の物といろんな食べ方があり、食感もいろいろなものがあります。次の機会にご報告します。
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