松くい虫の話

松くい虫(マツノマダラカミキリ)  松くい虫というのは特定の昆虫の名ではなく、ゾウムシ科、カミキリムシ科、キクイムシ科に属し、主として松類の衰弱木や抜倒木を加害する孔虫類雑の一括した総称で60種類以上あります。幼虫捕食者はアカゲラ、アオゲラ、コゲラ、オオアカゲラなどのキツツキ類。成虫は他の野鳥も捕食します。



早期発見・焼却処分

被害にあったマツは切り倒し、被害を拡大させないのが最良の方法です。

予防散布

松くい虫については、殺虫剤の予防散布を行うことが不可欠です。

樹幹注入

松くい虫感染前に健全なマツの幹にドリルで穴を開けて薬剤を注入して、全体に浸透させておきます。そうすれば、もしも5〜7月に松くい虫が松に飛んできて、マツノザイセンチュウが浸入したとしても、枝の中に浸透した薬剤によって、松が発病・枯死するのを防ぐことができます。
@薬剤が高価であり、注入作業に時間がかかるため林地での実施は困難です。対象は造園木や銘木です。
Aすでに針葉の変色が生じた木には施工しません。
B若木では、針葉が黄褐色に変色枯死する薬害が生じることがあるので使用を避けます。


マツケムシ

マツケムシ 松類や杉についているので松くい虫と混同されやすいのですが、マツケムシはマツカレハの幼虫です。成虫はガになります。幼虫は大型で摂食量が多く、暴食するので、最悪全葉を食い尽くされた場合には、樹勢がいちじるしく衰え枯死することもあります。幼虫は繭を作り越冬し、成虫は枝や樹の割れ目などで越冬します。幼虫に触れると毒毛が刺さり皮膚が腫れたり炎症をおこします。この毒毛のため捕食する鳥類は少ないのですが、オナガ・カスケ・カッコウ・ホトトギスなどの鳥は捕食をします。




参考 「原色病虫害図鑑(保育社)」 「大分林業試験場だより」 「読売新聞 2003,7,16朝刊」 「ファイザー製薬 パンフレット」
「原色 庭木・花木の病虫害(社団法人 農山漁村文化協会)」





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