石積みの話

 石積みは、石を積み上げて築かれた土留めを兼ねた外壁です。その形式は色々ありますが、大切なことは見た目の美しさです。大、中、小の石のバランスが適切であることが施工する物にとっては、技術とセンスが要求されるところです。大きい石をどこにもってくるか、同じ大きさの石が並んでしまわないように、不等辺三角形の理論にあてはめていけば、まずまずは、大きな失敗はありませんが、それを超越したセンスを発揮すること・味付けができるかどうかということが作者の個性となってきます。一つ一つの石の素材がもつ質感、表情を生かして巧みに組み合わせ、面として表現することにより、景観的な美しさを作り出すと同時に、絶対に崩れてはならないという安全性も必要で、かなり熟練を要する技術といえます。
 石積みの施工方法には、石を固定するために、目地や裏込めにコンクリートやモルタルを使用して積み上げていく[練り積み]とコンクリートやモルタルを一切使用しない[空積み]があります。建築基準法施工例によれば、高さが2mを超える石積みは、練り積みでないと認められないとしています。なお空積みの場合は、雨水が石と石の間から流れ出すので排水パイプを設ける必要はありませんが、練り積みのほうは安定度があり、5mくらいまでの高さまで積みことが可能とされているので、裏込め内に雨水が流れ込むと土圧が増大し、石積みが崩れる危険性があるので、ところどころに排水パイプを設ける必要があります。

参考 グラフィック社 日本庭園をつくる  日本造園組合連合 造園施工必携 より


石積みの種類



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